栄養療法による発達障がい治療と支援
2016.07.25
昨年秋よりスタートした栄養外来(免疫・栄養外来)ですが、おかげさまで徐々に共感してくださる方が増え、実践的な取り組みが広がりつつあります。
第6期分子栄養学実践講座もこのたび無事に終了し、本格的に分子栄養学を学び始めてから1年2カ月が経過しました。
この間、毎回の講座を通じて新しい知識や考え方に触れ、従来の対症療法中心だった外来診療が根本的に変わる大きなきっかけとなりました。
特に精神疾患における最新の知見として、「メチレーション」という代謝経路の重要性が注目されています。
メチレーションと精神疾患の関係
メチレーションとは、細胞内で起こる遺伝子発現に関与する代謝経路のひとつで、他の経路とも複雑に連動しながら体内の多くの反応に関与しています。
自閉症患者の約98%でこのメチレーションの働きに異常があることが報告されており、うつ病やその他の精神的な不調にも深く関連していると考えられています。
診断がついていなくても、いくつかの質問票への回答や、必要に応じた検査を行うことで、メチレーションの過不足を推測することができます。
メチレーションを評価する方法
- 質問票によるスクリーニング
- 葉酸代謝に関与する遺伝子多型を調べる遺伝子検査
- 代謝のバランスを知るためのバイオロジカル検査
支援体制の拡充
- 体と神経のつながりに偏りがある方に向けた「ブレインジム」など感覚統合プログラムの導入準備中
- 臨床経験豊富な臨床心理士による発達相談や支援
当院では、精神的・身体的な慢性的な不調に対し、分子栄養学の視点から根本原因にアプローチする診療を行っています。
大切なご家族の発達やご自身のうつ・不安などが気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。
当院では、これからも最新の分子栄養学に基づいた医療をお届けしてまいります。